子どもの人権を守るため
相談員と一丸となって
窓口の品質向上に取り組む

24時間子供SOSダイヤルなど

河野 維義

相談員

電話にて相談者の相談を聴き、相手の心情を汲み取りながら相談に寄り添います。

国や自治体より委託を受けて運用している「24時間子供SOSダイヤル」「児童相談所虐待対応ダイヤル」担当チームのサービスマネージャーをご紹介します。

相談対応の次のアクションを意識

私は、サービスマネージャー(以下、SM)として相談員の勤務シフトの設計や管理、相談員の個別評価やフィードバックを担当しています。また、コスト管理、業務改善のための企画、クライアントとなる国や自治体への総括的な報告業務なども行っています。
担当チームの相談員はシフト制で勤務しており、相談窓口は24時間365日稼働しています。私は日々の相談時間や受電本数といったデータを分析しながら、相談員が最大限のパフォーマンスを発揮できる体制構築に努めています。

「24時間子供SOSダイヤル」(以下、SOS)は、悩みを抱える子どもたちが、いつでも気軽に無料で相談できる窓口として、都道府県および指定都市の教育委員会によって開設されました。また「児童相談所虐待対応ダイヤル」(以下、虐待通報)は、虐待などが疑われる際の通告・相談窓口として機能しており、通告内容は児童相談所に報告することで具体的な対応につながっています。
窓口に寄せられる内容は多岐にわたります。すぐに解決できるものばかりではありません。私たちは教育委員会や児童相談所の“次の動き方”を想定しながら、相談者の状況をきめ細かくキャッチアップし、報告フローに則って正確な情報をお届けすることを心がけています。

一体感をもって相談員のレベルアップを図る

虐待通報は当事者からだけではなく、近所の方や第三者が通告するケースが多いのが特徴です。事実を正確に把握するために「5W1H」を意識し、詳細な情報をお聞きするように心がけています。一方SOSの窓口で、子どもからの相談として多いのが「学校生活や友達付き合い」について、保護者からは子育てに関する相談が多くを占めます。感情が高ぶっている相談者に対しては、その想いを受けとめ、いったん落ち着いていただくステップが欠かせません。解決方法を求める相談者には、具体的な方法をご提案しています。

ベテランの相談員でも、「対応方法を即座に判断することや、対応が適切であったかを自己評価することは難しい」と常々話しています。

私たちは応対品質を高水準で維持するために、チーフやサブチーフ(相談員のリーダー)を配置しています。チーフは相談員の応対音声を聞き、評価と直接的な指導を行ってレベルアップを図っています。SMはチーフたちのサポートをしながら、各相談員の日頃の行動にも目を配り、業務進行がスムーズになるように配慮しています。

あらゆる内容の相談を経験できる強み

当チームに在籍する相談員の強みは、「児童福祉に関するあらゆる内容の相談を経験していること」と言えるでしょう。1人の相談員が、多い時には年間1,000件もの相談に応対することもあります。事例検討会や日頃のコミュニケーションを通じて、定期的に他の相談員の経験も情報共有するため、当社相談員がインプットできる事例は膨大な数になります。そうした知見を積み重ねていくことで、様々な相談に対応できるようになるだけでなく、「世の中で子どもや親がどのような悩みを抱えているのか」という傾向を肌で感じることができるのです。

また応対品質は数値化できるものではない、と思われがちですが、仕事の状況や相談の成果を客観的に把握し、経験則をナレッジとして共有するためにも、数値管理を取り入れ、時代にあった新しい体制や応対方法を模索することも大切だと感じています。

相談員は20~70代までと幅広く、全員が精神保健福祉士や社会福祉士、臨床心理士、公認心理師などの有資格者であり、互いを受容し合う関係性を構築しています。年代も経歴も異なる相談員の組織力こそが、相談者やクライアントに提供できる最も大きな価値だと考えています。

Profile

こうの これよし 
20代の頃から児童福祉に関連する仕事を志し、コールセンターのSV、ECコンサルタントなどを経て、2018年に入社。現在、SMとして相談員の統括業務に従事。