導入事例
SBSホールディングス株式会社
事業内容
総合物流事業
・3PL(サード・パーティー・ロジティクス)及び4PL事業、食品物流事業、運送事業、即配サービス事業、国際物流事業、物流コンサルティング事業 等
不動産事業
・賃貸事業及び物流施設の開発・販売事業
導入サービス
ホットライン利用対象人数
約24,000人
内部通報制度をアウトソーシングすることで、利用者の利便性が 大きく向上しました
SBSホールディングスは、国内外に60社以上の子会社及び関連会社、従業員数約2万4千人、年商4,300億円超の事業規模を擁し、東証プライム市場に上場する物流業界の大手企業、SBS企業グループを統括する会社です。同社では、成長を支える施策の一つとしてM&Aを活用しており、伝統ある大手企業から地域に根差す中堅・中小企業とのM&Aを実施、高度な専門性を有する物流企業が有機的に連帯することで企業価値の最大化を図られています。
また、“人財”こそが企業の価値創造の最重要源泉という理念をお持ちで、労働環境整備にも積極的に取組まれており、企業の成長に伴う内部通報制度の強化を目的に、ダイヤル・サービスの内部通報窓口アウトソーシングサービス「ディアログ」を導入いただきました。
労働環境の整備をはじめ持続可能な成長を実現する為、会社のあるべき姿を整備していく役割をお持ちのサステナビリティ推進部の皆さまの取り組みを伺いました。
現場と経営層の結節点の役割を担い、従業員の方々の労働環境やより良い組織作りに寄与したいと考えています。
サステナビリティ推進部 清水冬彦様
サステナビリティ推進部 古屋洋二様
SBSホールディングスにおける内部通報制度の概要について、教えてください。
清水様:当社グループは物流事業を中心に継続的な成長を続けておりますが、その中で重要な役割を担っているのが「戦略的なM&A」です。2018年にはリコーロジスティクス(現SBSリコーロジスティクス)や2020年には東芝ロジスティクス(現SBS東芝ロジスティクス)等、大手メーカーの物流子会社を仲間になっていただきながら、規模や取り扱い業種を拡大してきました。
当社はグループ各社を統括する持ち株会社として、新しく仲間に加わってもらった企業を含め、グループ各社に対する子会社管理の一環として内部通報制度の整備に取り組んでいます。
古屋様:私たちが所属するサステナビリティ推進部は、社会に貢献できる企業としての在り方を考えていく役割を担っており、時代の要請に応じて幅広い業務を行っています。その中には当社が考えるサステナビリティ経営の基本であるグループ全ての従業員が生き生きと働くことのできる労働環境の整備が含まれており、その一環として内部通報制度の対応をしています。
清水様:内部通報制度における私たちの業務は、日々成長していく企業体に合わせた制度整備を行い、内部通報された事案を適切なタイミングで経営層に伝えていく、「事業の現場で起きている新鮮な情報を経営層に伝えていくこと」だと認識しています。つまり、我々が現場と経営層の結節点の役割を担い、従業員の方々の労働環境やより良い組織作りに寄与したいと考えています。
内部通報制度の具体的な対応としては3つの通報窓口を用意しており、従業員の方々に幅広く利用してもらう「SBSグループホットライン」の他、経営層に関する事項を受け付ける「監査等委員ホットライン」や社内だけでは解決が難しい事項を受け付ける「弁護士ホットライン」を提供しており、ダイヤル・サービスには2023年3月から「SBSグループホットライン」の一部をアウトソーシングさせてもらっています。
貴社における労働環境やコンプライアンスについて、どのような課題を感じていましたか。
古屋様:一般論となりますが、物流業界はパワハラが多い印象があると思います。組織として一定の統率が必要な面がありますから、作業中には従業員の安全管理に直結するときなど、厳しい口調で注意の言葉を発することもあります。そのトーンがついつい日常のコミュニケーションとなってしまう可能性があります。
清水様:取組みの一環として、コンプライアンスの意識調査を実施したことがあります。当社の結果は、他の項目に比較してパワハラが多い傾向にあるというものでしたので、同業他社と比較した場合は少ない方に入るという情報を得ているものの、事実として認識はしています。
課題という観点では、成長していく会社に合わせて体制を構築することはもちろんですが、やはり「利用者の利便性をどのように向上するか」ということが重要だと認識しています。
当社には、運搬を行うドライバーや倉庫業務を行う従業員等、物流の現場で頑張ってくれている従業員がいるのですが、彼らが内部通報制度を利用したいと思った時に、場所や時間の制約があり、利用することが容易ではない状況があるのではないかと考えていました。
背景として、内部通報制度の中で中心的な役割を持つ「SBSグループホットライン」については、現場の状況を把握する意味でサステナビリティ推進部が運用を行っていましたが、対応できる時間帯や件数に限界がありました。内部通報を受けるメンバーは、営業時間外の問合せにもできるだけ対応はしておりましたが、休日を含め、本当は内部通報制度を利用したい従業員が利用できていないのではないかと考えていましたので、優先して解決したいポイントだったのです。
古屋様:利用者にとって利便性のある内部通報制度としては、通報の電話をした際に社内ではなく社外につながる方が望ましいのではないかという要素も大きかったです。通報や相談をする従業員にとって「通報の内容が職場内や社内に漏れてしまうのではないか」という不安を持っていると思いますから、内部通報窓口をアウトソーシングすることは利用者の利便性が向上することを期待していましたし、会社にとってもプラスに働くだろうと考えていました。
また、成長していく会社に合わせて体制を構築していくという観点では、事業の拡大に伴う内部通報制度の利用者増加、並びに通報件数増加は必然的に発生しますので、運用面の強化を考えて内部通報窓口のアウトソーシングの検討を進めていくタイミングでもありました。
内部通報窓口をアウトソーシングすることのメリットがある一方で、懸念されていたことはありますか。
清水様:アウトソーシングの導入検討の中で、本当に利用者の利便性が高まるのかについての懸念はありました。大きく分けて2つあり、1つ目は「物流業界の知識がない外部の方が、通報の背景等を含めて正しく理解できるのか」という点、2つ目は「通報者の声色などから得られる非言語情報が得られなくなってしまうことで、その後の対応にネガティブな影響が出てしまうのではないか」という点でした。
古屋様:1つ目の懸念事項に関して補足すると、物流業界の専門用語や独特な言い回しが存在するので、トラブルのキッカケとなった事象がどのようなプロセスや業務にあったのかについて、正確に把握することができないのではないかということです。これについては、導入判断をする上長からも物流業界の知見がないと従業員の声や悩みを聞くのは無理だろうという声が上がっていました。
ダイヤル・サービスさんとご縁があったと思うのは、私がSBSグループに入社する前にダイヤル・サービスの内部通報窓口を利用していたこともあり、内部通報が発生した際に提出される報告書(※1)のクオリティの高さを知っていたことかと思います。
もちろん具体的な内容は伝えることができませんが、物流関係の内部通報事項に関しても、通報者の状況や行間を理解していることが分かる報告書を提出してくれるサービスだということ説明できたことは大きかったと思います。
清水様:2つ目の懸念事項に関しては、ダイヤル・サービスの営業担当者のサポートをもらいながら、実際の情報連携イメージを作り上げていったことが、懸念があっても導入してみようという気持ちにさせてくれたと思います。
営業担当者の方には、相談員(※2)のバックグラウンドからはじまり、ヒアリングの質や深さを念入りに質問しましたが、時間をかけて細かく丁寧に説明いただいたことには感謝していますし、当初の懸念をかなり薄めてくれたと思っています。
※1 ダイヤル・サービスでは、内部通報を受け付けた内容に関して翌日中に「個別報告書」をご提出しております。
※2 ダイヤル・サービスでは、内部通報を受け付けるスタッフを「相談員」と呼んでおります。
"ディアログを導入後、今まで拾えなかった改善の種を拾うことができはじめたのではないかと感じています。"
清水冬彦様
「ディアログ」相談員の対応をはじめ、「ディアログ」を導入した効果や変化について、教えてください。
清水様:「ディアログ」の導入により、平日は21時までの受付対応に加えて、土日祝日の受付が可能になったことで受付時間を拡充できたことは、従業員にとって非常に良かったと思っています。「ディアログ」導入後の受付実績を見ると、やはり平日の就業後(18時以降)や土曜日と日曜日の内部通報利用が多く、従業員をサポートできる体制が構築できたと考えています。今まで拾えなかった改善の種を拾うことができはじめたのではないかと感じています。
また、通報や相談が入った際に提供いただく個別報告書(※1)については、通報内容だけでなく、「通話開始時は淡々と話していたが、徐々に感情が高ぶる様子が電話越しで確認できた・・・」のような定性的な情報も相談員の所感として記載があり、実際のコミュニケーションがどのようなものだったのかを把握する必要がある担当者としては非常に満足しています。
古屋様:清水が申し上げたことの結果として、早朝や営業時間後に内部通報の受付対応をすることや、通報内容を文書化することがなくなりましたので、内部通報窓口を運用する担当者の負担が大きく軽減されました。
その他にも、内部通報窓口に寄せられる相談事項として制度自体についての質問等もありますが、ダイヤル・サービスの相談員の方々が丁寧に対応していただけることで内部通報窓口の普及に寄与しているのではないかと思っています。
清水様:「ディアログ」を導入後、改めて気付きを得た部分もあります。内部通報制度を利用される従業員の中には、特定の事象に対して会社側に何かをして欲しいということではなく、話を聞いて欲しいという需要もあるのだと認識しました。ダイヤル・サービスの相談員の方々の傾聴する姿勢や話しやすさの表れかもしれませんが、内部で対応していた頃にはなかったものなので、安心して利用できる内部通報窓口という意味では、ポジティブに評価してもよいのかと考えています。
※ ダイヤル・サービスが顧客企業に対し、通報や相談の内容を整理して報告する書面
"ディアログの導入により、内部通報窓口を運用する担当者の負担が大きく軽減されました。"
古屋洋二様
「ディアログ」の導入を検討中の企業へメッセージをお願いします。
清水様:内部通報制度の運用業務の特徴として、業務のボリュームが安定しないことが大きな特徴だと思っています。会社にとって重要な業務であるが、その特徴からして、内部通報制度に従事する方の多くは、他の業務を持っているのではないでしょうか。
例えば、法務や総務、人事等の組織に所属していらっしゃる方の場合、求められている業務や成果が内部通報制度の運用以外にもあるのであれば、それらの業務のクオリティや効率を磨いていくべきではないかと考えており、ダイヤル・サービスの「ディアログ」は業務改善のサポートをしてくれるサービスとしてすごくお勧めできると思います。
古屋様:従業員の都合が良い時に内部通報や相談ができる方法があるということは、労働環境にとって非常に良いことだと思いますし、風通しの良い組織に繋がることだと思っています。同じように労働環境の整備を考えていらっしゃる方がいるならば、ダイヤル・サービスのサービスを検討してみる価値があると思います。