種?実?山の幸「むかご」
<Q>
農家の方から“むかご”をいただきました。お勧めの食べ方があれば教えてください。また、どのように保存したらよいでしょうか。
<A>
「むかご」は長芋や自然薯などの山芋の葉の付け根にできる小指の頭ほどの球芽です。地方によっては「いもご」「いもしかご」「ばちかご」などとも呼ばれています。 全国の山野に自生しており、10~11月頃になると葉が黄色く色づき、むかごが完熟して収穫できるようになります。流通量は少ないですが、その時期になると道の駅や農作物の直売所を中心に店頭でも見かけるようになります。
むかごは皮がとても薄いので、水洗いしてから皮ごと調理します。塩ゆで、蒸す、素揚げなどにして食べるのが一般的です。汁物に入れたり、バターで炒めてもおいしく食べられます。大きめのものは、指でつまんで押し出すように口に入れると皮がむけます。淡白でクセがないため、どんな料理にも合いますが、一番のお勧めは「むかごごはん」でしょう。米の量の1/4くらいのむかごと昆布、塩、酒少々を加えて、普段の水加減で炊き込みます。 ホクホクとした食感とほんのりと優しい山芋の香りが楽しめます。
家庭での保存は、常温だと乾燥して表面にしわができ、味が落ちてしまいます。冷蔵または冷凍がお勧めです。冷蔵する場合は湿らせたキッチンペーパーなどに包み、密封できる袋に入れて野菜室で保存します。およそ2週間をめどに使い切りましょう。冷凍する場合はきれいに洗い、水気を切って密封して、1ヶ月ぐらい保存ができます。
小さな粒の1つ1つに山芋の香りとコクが凝縮されており、秋の味覚として懐石料理にも使われます。ぜひ、むかごごはんで秋を堪能してくださいね。