骨をしなやかにする食品、もろくする食品

骨粗しょう症になる原因は「骨量(骨密度)」の低下と、もう一つ重要なのが「骨質」の劣化です。骨の強さは骨量が70%、骨質が30%を占めているといわれています。
骨量だけではなく「骨質」も大切
骨を建物に例えると、コラーゲンが柱の役割を、カルシウムなどのミネラルがコンクリートの役割を果たしています。骨が硬いだけではなく、しなやかさを保つことができるのは、コラーゲンのおかげです。この柱の状態を骨質といいます。コンクリートの量が多くても、柱が劣化すれば建物は崩れてしまいます。つまり、カルシウムが十分で骨量に問題がなくても、骨質が劣化することで骨折のリスクを高めてしまうのです。
骨質の劣化を防いでくれる食品は?
骨質の劣化の原因となるのが、アミノ酸の一種であるホモシステインです。血液中のホモシステインの量が増えると、柱となるコラーゲンの骨組みが不規則になり、骨のしなやかさが失われて骨折しやすくなるといわれています。動脈硬化や高血圧、心筋梗塞、脳卒中のリスクを高める物質でもあるので、注意が必要です。
「ビタミンB6」「ビタミンB12」「葉酸」この3つのビタミンB群にはホモシステインを減らす効果があります。ビタミンB群は、単体よりも一緒に摂ると相乗効果が期待できるため、さまざまな食品を組み合わせて摂るとよいでしょう。

骨質を強化してくれる食品は?

コラーゲンはたんぱく質を材料に作られます。肉、魚、大豆製品、卵、乳製品からまんべんなく摂り、特にやせ型の人や高齢者は肉や卵などが不足しないようにします。
そして、コラーゲンの合成には鉄分とビタミンCが欠かせません。鉄分を含む食品はレバーや貝類、ほうれん草などビタミンB群の食品と重なります。ビタミンCは野菜や果物に多く含まれています。骨質の強化に欠かせない食品を意識しながら、バランスのよい食事ができるといいですね。
摂りすぎてはいけない食品は?
スナック菓子、酸味料を使った清涼飲料水、ウインナーやハム、練り製品などの加工食品、カップ麺などのインスタント食品といったリンを多く使用した食品です。リンは摂りすぎるとカルシウムの吸収を妨げてしまいます。ほかにも、漬物や干物に多い食塩、コーヒーや紅茶に含まれるカフェイン、過度な飲酒もカルシウムの吸収を妨げ、排出を促進するので摂りすぎは控えましょう。
「骨量(骨密度)」+「骨質」=骨の強さ
骨質も高めて、しなやかで強い骨を目指しましょう‼