Vol.159 食と健康

丈夫な骨づくりに、欠かせない3つの栄養素

 子どもから大人、高齢者まで骨づくりは健康の秘訣です。平均寿命が延び、骨粗しょう症は女性だけでなく、男性患者も増加傾向にあります。骨づくりに大切な栄養素を意識して摂ることによって、骨粗しょう症を予防したいものです。

1つ目の栄養素 『カルシウム』‥‥骨の基本材料

 骨といえばカルシウム!と考える方は多いと思います。確かに骨の主要な成分ですが、実は血液中にも存在し、生命維持に重要な働きをしています。そのため、食事から十分にカルシウムが摂れず、血液中のカルシウムが不足すると、骨を溶かしてでも補給をしてしまいます。この状態が続くと、骨粗しょう症に至ってしまうのです。
 カルシウムは牛乳・乳製品、小魚(骨まで食べられる魚)、大豆製品、野菜(小松菜、ほうれん草、チンゲン菜など)、海藻に多く含まれています。ただ、カルシウムは体内に吸収されにくく、食品によっても吸収率が異なります。また、一度に大量に摂っても一定量以上は吸収されずに排泄されます。効率よくカルシウムを摂るには、いろいろな食品を取り入れ、小分けで食べることがポイントです。

2つ目の栄養素 『ビタミンD』‥‥カルシウムの吸収を促進する

 ビタミンDは小腸でのカルシウムの吸収を促し、体内でのミネラルバランスを調整する働きをして、骨の健康を維持しています。日本人の多くが不足気味です。まいたけや干ししいたけなどのきのこ類、卵、特にサケやサンマ、イワシ、マグロなどの魚に多く含まれます。脂溶性のビタミンで、炒め物など油と一緒に摂ると吸収率が上がります。
 このビタミンの大きな特徴は、紫外線を浴びることにより、皮膚でも作られることです。1日15~20分程度の日光浴で効果が期待できます。また、骨に負荷をかけるための適度な運動も欠かせないため、日光浴を兼ねた散歩もよいでしょう。

3つ目の栄養素 『ビタミンK』‥‥カルシウムが骨に定着するのを助ける

 ビタミンKは骨を健康な状態に保つのに重要なビタミンで、骨折のリスクを減らすという報告もあります。緑の野菜(ブロッコリー、春菊、ニラなど)や納豆に多く含まれており、特に納豆に含まれるものは「ビタミンK2」と呼ばれ、栄養効果がより高いといわれています。また、大豆製品には女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンも含まれており、閉経後の女性の強い味方といえますね。脂溶性ビタミンなので油と一緒に摂ると吸収率が上がります。比較的加熱に強いため炒めたり、揚げたりする調理法でもあまり損なわれずに、摂取できます。


骨にうれしい栄養素をしっかり摂って、丈夫な骨をつくりましょう‼