休日の連絡はハラスメント?~報連相の再確認~
「上司からの深夜や休日の連絡はハラスメントではないか?」
ハラスメント相談窓口で、このような相談を受けることがあります。
「特に緊急とは思えず、明日会社に行ってからでもいいのではないか、と思える状況でも『どうなっている?』『至急返事が欲しい』とか連絡してくるのは業務の範囲を超えて、ハラスメントではないかと感じる」というのが相談の主旨です。
また、「休日に連絡があり、どうしても現場に行かなければならない状況だった。深夜ということもあって上司には連絡せずに出勤したところ、翌日上司から『無断で出勤したので勤務とは認めない』と注意を受けたが納得がいかない」というような相談もありました。
ダイヤル・サービスが行ったハラスメント防止研修で、受講者である管理職、一般従業員それぞれに「深夜や休日の連絡」について聞いてみたところ、「深夜や休日の上司からの連絡はハラスメントだと思う」という回答が一般従業員に多く見られました。一方、管理職は、「ハラスメントにはあたらない」もしくは「状況による」と答えた割合が多い、という結果になりました。
上司、部下それぞれに言い分があり、これがハラスメントにあたるかどうかは会社としても判断の難しいところです。このような事象を未然に防ぐため、ハラスメント防止研修の中では「報連相の再確認」を提案しています。業務遂行において報告・連絡・相談の「報連相」が重要であることは誰もが認めるところです。では「報連相」を、いつ・どのような時に・どのような方法で行うのか、職場での運用の詳細について共通理解はなされているでしょうか。
二つの相談事例においても、事前に上司と部下の間で「緊急時には休日や深夜でも連絡を取り合うことがある」「重要な事柄、特に悪い状況については必ず上司に報告をすること」といった取り決めがあれば、お互いに嫌な思いをせずに連絡を受け入れることができたのではないでしょうか。
ぜひ、職場の「報連相」について、意識のすり合わせと緊急時の対応について話し合ってみてください。そして実際に連絡することがあったときには、翌日に「昨日は夜遅くに連絡して悪かった」「休みの日にまで連絡してすみませんでした」と一言添えるようにしてみてはいかがでしょうか。そのようなコミュニケーションが、ハラスメントではないかと思わせたり、相談に発展したりしないコツと言えるかもしれません。