赤ちゃんの祝い事“お食い初め”の儀式とは?
「もうすぐ3ヶ月になる孫がいます。“お食い初め”はどのように行えばよいでしょう」「お食い初めのお膳は決まりがありますか」などの相談が管理栄養士の窓口には寄せられます。
普段、目にすることが少ないお食い初めの儀式について紹介します。
お食い初めの由来は?
“お食い初め”は生まれた日も含めた生後100日目に行われる行事です。地方によっては110日または120日目に行うこともあるようです。「子どもが一生食べものに困らないように」また「丈夫な歯で何でも食べられ、健康で長寿でありますように」という願いを込めて行われます。「箸ぞろい」「箸初め」「歯固め」の祝いともいわれています。
お食い初めの起源は、平安時代に行われていた「百日(ももか)祝い」と「魚味始(まなはじめ)」 ではないかと考えられています。「百日祝い」は、生後100日目にもちを入れた重湯を赤ちゃんの口に含ませる行事です。その後、魚や肉を初めて与える儀式「魚味始」と一緒になり、今日のお食い初めになったようです。
祝い膳は何を用意したらよい?
地域により違いがありますが、一般的には「一汁三菜」を基本とした祝い膳を用意します。鯛などの尾頭付きの魚と赤飯、吸い物、煮物、香の物です。縁起の良い意味合いの材料を使った料理になります。正式には使う器は、男の子は朱塗り、女の子は外側が黒塗りで内側が朱塗りの膳を使いますが、赤ちゃん用の食器でもよいでしょう。
ほかにも丈夫な歯が生えることを願う「歯固めの石」やしわができるまで長生きできるように「梅干し」を用意します。
本当に食べさせるの?
祝い膳を整え、介添え役が赤ちゃんを膝に抱いて食べるまね事をします。介添え役は長寿にあやかる意味合いもあって、子どもと同性の最年長者の親族にお願いします。祖父母が務めることが多いようですが、遠方で離れている場合は赤ちゃんの両親でも構いません。
お食い初めの儀式は、離乳食が始まる前なのであくまで食べるまね事をするだけで、本当に食べさせるわけではありません。祝い膳の料理は、儀式が終わったら集まった皆で頂きましょう。
最近では、こうした行事や儀式は簡略化される傾向がありますが、その意味を知り、行うことは、家族の絆を深めることにもつながります。すべて準備するのは大変という場合は、お店やホテルのプランを利用したり、自宅で行う場合は宅配で取り寄せるセットも充実しています。
現在の生活スタイルに合わせ、お子さんへの思いを込めたお食い初めになるとよいですね。