スマホ依存に要注意
スマートフォンは現代の日常生活には欠かせないものです。コロナ禍の影響により、これまで以上に利用する機会が増えているのではないかと思います。通勤中の電車でも多くの人がスマホを見ています。電子新聞や電子本を読んでいる人もいますが、多くはショッピング、動画、ゲーム、SNSのために利用しているのではないでしょうか。適度に利用すれば便利なツールですが、はまってしまうと衝動的な欲求に襲われ、依存状態から抜け出せなくなります。その欲求はさらにエスカレートしていくものです。
2018年、WHO(世界保健機関)が公表した国際的な統計基準「国際疾病分類」の最新版ICD-11に「ゲーム障害」が新たに追加され、「ギャンブル障害」と同じカテゴリーに分類されることになりました。「ゲーム障害」とは、
・ゲームの時間や頻度などがコントロールできない
・日常生活や他の関心ごとよりもゲームを優先させる
・問題が生じてもゲームを続け、個人、家族、社会、学業、仕事などに重大な支障を及ぼしている
これらの項目が12ヶ月以上続く場合とされています。
厚生労働省が開催した第2回ゲーム依存症対策関係者会議では、インターネット依存の治療で有名な国立病院機構久里浜医療センターを受診したネット依存患者のうち、およそ70%がゲーム障害であること、さらには、ゲームで使用する頻度が最も高いツールは、ゲーム機でもパソコンでもなく、スマホでした。このことからも、スマホを使いすぎる理由の多くはゲームによるものだと言えるでしょう。
場所や時間を気にすることなくプレイでき、特にオンラインゲームは飽きがこないので、時間を忘れて没頭しがちです。しかし、やればやるほどゲームをしていない時の不快な気持ちが増していくので、結果、ゲーム依存に陥りやすくなります。依存状態になるのはあっという間です。自己コントロールができず、生活に支障をきたして、心身に負担を感じるようになります。運動不足、睡眠不足、昼夜逆転、食生活の乱れなどによって体にさまざまな症状が現れたり、ゲームやインターネットをしているとき以外は無気力、イライラ、孤立感、劣等感などで精神的に不安定な状態になったりします。
もしも、ゲームやインターネットのやり過ぎによって、朝起きられずに欠勤する従業員がいたら要注意です。重症化すると抑うつ感が強くなり、自傷行為に及んだり、幻聴や幻覚が現れたりすることもあります。ゲーム障害かな、スマホに依存しすぎかなと自分で思う、または身近にそう思われる人がいる場合は専門機関の受診をお勧めします。
この機会に1日あたりのスマホ利用時間をチェックしてみませんか。