暑さも吹き飛ぶ「そうめん」のあれこれ
「手延べそうめんの茹で方に“よく水洗いして”と書いてありますがどうしてですか。また、細くても切れないのが不思議です」「賞味期限がわからないそうめんがありました。古くても大丈夫でしょうか」「そうめんとつゆだけで済ますことがありますが、栄養バランスが気になります」などのご相談が管理栄養士の窓口には寄せられます。
蒸し暑い日本の夏、ひんやり冷えたそうめんは涼を感じさせてくれますね。今年は特に出番が多いと思います。そうめんのあれこれを学びましょう。
■もみ洗いするのはなぜ?
そうめんは製法によって、機械そうめんと手延べそうめんがあります。切れにくいとされているのは手延べそうめんです。
機械そうめんは小麦粉と塩、水の生地をこねてから、薄くのばして機械で細く切り、乾燥したものです。一方、手延べそうめんは、生地に油を塗って、縄のようによりをかけながらゆっくりのばし、細い麺状にしてから乾燥します。この手延べの製法で、小麦粉のグルテン組織が一定方向にのばされて、こしの強い独特の食感が生まれます。また、油が入ることで細くても切れにくい麺になるのです。もみ洗いするのは、そうめんの表面の油をしっかり取り除いて、味をよくするためです。
■古いものがおいしい?
手延べそうめんは、じっくりと熟成することによって、麺の歯応えと、喉越しがよくなるといわれています。製麺してから熟成期間によって、1年物を「新」、2年物は「古(ひね)」、3年物は「大古(おおひね)」と呼んでいます。古や大古のそうめんは珍重されます。ただし、家庭で長期に保存したものではなく、製造元で温度や湿度をきちんと管理して熟成させたものです。家庭では表示の賞味期限内に食べるようにしましょう。
■冷麦との違い
そうめんと冷麦の「太さ」は、乾めん類品質表示基準(農林水産省)で、次のように決められています。 冷麦は、長径1.3mm以上1.7mm未満のものをいいます。そうめんは、長径1.3mm未満のものです。ちなみに長径1.7mm以上の麺は、うどんになります。食欲のないときでもツルツルっと入ってしまうのは、そうめんの細さならではでしょうか。
そうめんは全国で作られていますが、兵庫の播州そうめん、小豆島の手延べそうめん、奈良の三輪そうめんが有名です。ほかにも挽き茶を混ぜた茶そうめん、卵入りの卵そうめんなどがあります。古くから精進料理に欠かせない一品としても用いられています。
■めんつゆに飽きたら
定番のめんつゆは、さっぱりと食べられる一方で食べ飽きやすかったり、栄養のバランスが取りにくいなど気になることもあります。そこで、家庭で作れるそうめんを使った郷土料理を紹介します。
そうめんは茹で時間が短いのも魅力ですね。アレンジレシピでおいしく食べて、厳しい暑さを乗り切りましょう。