優雅なひととき、アフタヌーンティー
<Q>
ティーサロンでアフタヌーンティーをいただきました。とてもおいしく、すてきだったのですが、紅茶の種類が多く、どれにしたらよいか迷いました。紅茶の選び方やお菓子との相性について教えてください。また、紅茶は健康にもよいと聞きましたが、どのような効能があるのでしょうか。
<A>
19世紀中ごろ、イギリスのベッドフォード公爵夫人が、遅い夕食までの間の空腹を満たすため軽食を摂るようになりました。のちに友人たちを招くようになり、それが広がってアフタヌーンティーは優雅なものとして定着し、独特な紅茶文化が生まれました。
ティーフーズは、サンドイッチ、スコーン、ケーキ、ビスケットなどエレガントで小ぶりな物をたっぷり用意されます。アフタヌーンティーでは、塩味のものから甘いものへと食べ進めます。紅茶との組み合わせは意外と奥深く、相性よくいただきたいですね。
お菓子にもさまざまな種類があるように紅茶にもいろいろな味や香りがあります。紅茶の渋みはお菓子を食べたあとに口内に残った油脂をすっきりさせてくれます。チョコレートやバター、生クリームを使った菓子類には濃く、渋めに抽出した紅茶がお勧めです。アッサムのようにコクがある強い味わいのミルクティーが合います。ほかにもアールグレイのような個性的な香りの紅茶もマッチします。逆にフルーツを使ったり、あっさりとした焼き菓子には渋みが少なく香りが繊細なダージリンやニルギル、キャンディなどがお勧めです。
紅茶の主成分は緑茶やウーロン茶と同様でカフェインとポリフェノールですが、紅茶はどちらも豊富に含んでいます。カフェインは脳の働きを活性化するほか、新陳代謝や皮下脂肪の燃焼を促します。紅茶の赤い色素でもあるテアフラビンは紅茶特有のポリフェノールで、緑茶には含まれません。強い抗酸化作用があり、殺菌効果、風邪や食中毒の予防効果があります。さらに、脂肪の吸収を抑えるため、血中コレステロールの低下や肥満防止などが期待されています。また、歯磨き粉にも使われているフッ素も微量含まれており、虫歯予防にも有効といわれます。
クリームやバターを使うお菓子と紅茶の組み合わせは、脂肪の吸収を緩やかにしてくれます。甘さと渋みで互いの魅力を引き立たせて、楽しいティータイムを過ごせそうですね。