果物を食べていますか?
「減量中ですが、仕事中につい甘いお菓子を食べてしまいます」「お菓子の代わりに果物を食べるとよいと聞きましたが、皮をむくのは面倒で手も汚れるし仕事中は食べられません」「フルーツジュースでもよいですか」などのご相談が管理栄養士の窓口には入ります。
皆さんは、果物を最近食べていますか?
◆果物は必要なの?
毎日の健康な生活のためには、ビタミンやミネラル、食物繊維を十分に摂取することが必要です。そのためには、これらの栄養素が豊富に含まれている果物を積極的に食生活に取り入れると効果的です。
厚生労働省が推進する健康づくり運動「健康日本21」では、健康増進の観点から1日200グラム以上の果物を食べることを目標にしています。しかし、実際は若年層での果物離れにより、20~40 歳代では目標の1/3程度にとどまり目標量を満たしていない状況です。
◆果物200グラムってどのくらい?
秋は梨やりんご、柿、ブドウなどのみずみずしい果物が豊富に出まわる季節です。下に200グラム(可食部)の目安をまとめました。朝食や間食で食べるのにちょうどよい分量になります。ご参照ください。
◆果物を食べるのが面倒で…
果物を食べることが難しい場合は、代わりにジュースを飲むのも一法です。ポイントは果汁100%のジュースを選ぶことです。果物をそのまま絞ったジュースは、糖質の含有量が果物とほとんど差がありません。ビタミンCは1/2~1/3になってしまいますが、仕事中でも手軽に摂りやすいという利点もあります。果物もジュースも昼間に摂取することをお勧めします。その理由は、夜に摂取すると中性脂肪が増加しやすいためです。果物は200グラム、ジュースは200mlを目安に飲むとよいでしょう。ジュース以外に市販のスムージー、カットフルーツや冷凍フルーツなども手間なく食べられます。
◆果物を食べると太るのでは?
「果物は甘いので太りやすい」と思っている人は多いのではないでしょうか。果物の甘さは果糖によるもので、砂糖の1.2~1.7倍も甘さを強く感じます。しかし、砂糖やほかの糖と比べても同量であればエネルギーに大きな差はありません。スナック菓子や洋菓子はエネルギーが高い脂質を含みますが、果物はほとんど含みません。
減量中に好ましくない菓子類を果物に置き換えると糖質や脂質の摂りすぎを予防でき、ビタミンやミネラル、食物繊維の補給もできて一石二鳥です。
ご自身の生活にあったスタイルで、果物を1日200グラム目指して食べてみてはいかがでしょうか。美肌や整腸作用など健康効果も期待できます。