家庭での介護食作り~トロミづけの工夫
Q:同居している父親が80歳を迎えるので、食事作りに気を付けています。軟らかくして食べやすいように調理していますが、むせることがあり飲み込みづらいようです。家庭でできる調理の工夫を教えてください
A:食事が飲み込みにくくなってくると、料理する側も心配ですね。高齢になると、唾液の分泌量が少なくなり、飲み込む力も弱くなってむせやすくなります。むせないようにするには、パンや焼き芋、焼き魚のように口の中でパサつくものを控えることがまず大切です。また、酢を使った料理や麺類などすすって食べる料理は、むせやすいので酸味を薄めたり、粘りやトロミのある食材を使用して口の中でまとまりやすくすると、飲み込みやすくなります。
例えば、茹でたオクラやモロヘイヤ、納豆などをよく包丁でたたいて和え物にしたり、すりおろした山芋を挽き肉料理のつなぎにするなど、食材の粘りを利用することで、のどごしよく料理を仕上げることができます。
水溶き片栗粉を使用してトロミをつける方法もあります。ただ、料理によっては冷めると水っぽく感じてしまう場合があるかもしれません。そのようなときは、市販のとろみ剤や重湯を混ぜたり、ゼラチンでゆるくトロミをつけるとよいでしょう。お浸し、煮物、和え物など料理によって使い分けてみてください。
ほかに、油脂を適度に使った料理は、のどのすべりをよくします。生クリームや牛乳でクリーム煮にしたり、練りごまを使ってごま和えにすると、食品の油脂分で飲み込みやすくなります。
高齢者の方でも、ちょっとした工夫でおいしく食べることができれば、心も満たされ笑顔が広がりますね。