小児期のサプリメント
<Q>
小学生の子どもがいます。スイミングが大好きで、選手コースを目指し、練習を続けています。サプリメントを飲んでいる友達もいるらしいのですが、サプリメントを利用した方がよいのでしょうか。
<A>
テレビやインターネット、口コミなどからたくさんのサプリメント情報が入り、親の関心も高まっています。特にスポーツに取り組んでいる子どもでの利用率が高いことも報告されています。サプリメントは手軽に栄養補給できるもの、パフォーマンスを向上させると考えられがちですが、特に育ち盛りの小児期は、必要となるエネルギーや栄養素は食事から摂るのが基本です。それはトップアスリートを目指す場合にも同様で、この時期に健康的な食習慣や生活リズムを身につけることが、丈夫な体をつくるためにとても重要だからです。
確かに、運動能力は、栄養素が不足すると低下しますし、不足している栄養素が明らかな場合にはサプリメントが効果を発揮するという報告があります。しかし、特定の栄養素を多く摂取すれば、競技力が向上するわけではありません。また、過剰症がある栄養素を摂りすぎれば、かえって健康に影響を及ぼすことにもなりかねないので、使用にあたっては注意が必要です。
子どもにサプリメントを与える際には、大人よりもさらに、その有効性や安全性を考慮し、慎重に対応するように促している専門機関もあります。トレーニングの指導者に相談してみるのもいいでしょう。
食事をきちんと食べていればまず栄養素が不足することはありません。持久力や筋力、瞬発力が必要とされる水泳では、炭水化物からエネルギーを確保し、筋肉の材料となるたんぱく質を十分に摂り、脂肪は摂りすぎないように気を付けましょう。牛乳や乳製品をしっかり摂ることを意識したメニュー作りをするといいですね。また、食事から十分に栄養を摂るためには、朝食は必ず食べる、トレーニング後に甘い飲み物やお菓子で食欲を満たさない、食べやすい消化のよいメニューにする、疲れて食事ができなくなるほどオーバートレーニングにならないように注意することも大切です。