じゃがいもを熱いうちに潰すのはなぜ?
<Q>
我が家はじゃがいもが大好きで、よくポテトサラダやコロッケなどを作ります。レシピには「熱いうちに潰す」と書いてありますが、どうして冷めてから潰してはいけないのですか。
<A>
じゃがいもの細胞膜や細胞の間にはペクチンという成分が含まれています。このペクチンは熱いときは流動性があり、冷めると固まるという性質があります。熱いうちに芋を潰すとペクチンの流動性により、芋は僅かな力で崩れ、ホクホクとした食感に仕上がります。
これに対して、芋が冷めてペクチンが固まってくると、潰したり裏ごしたりするのに圧力が必要となり、力を入れて作業をしなくてはなりません。さらに、細胞膜が破れて、芋の細胞の中からのり状のでんぷんが押し出され、ベタベタとして口触りも悪くなってしまいます。これらの理由から熱いうちに芋を潰すことがおいしさのポイントだといえます。
なお、ポテトサラダやコロッケを作る際には、新じゃがいもは不向きです。それは、細胞膜が弱く破れやすいためです。また、未熟なじゃがいもに含まれるペクチンの多くはプロトペクチンという不溶性のもので、熱しても流動性がないため、ホクホクとした食感は期待できません。
今年のクリスマス、メイン料理の副菜に、熱々のじゃがいもを潰し、生クリームやバターでなめらかに仕上げるマッシュポテトはいかがでしょうか。ビストロ風の料理でメリークリスマス!