運動と食事のタイミング
「メタボ対策でスポーツクラブに通い始めました。仕事のあとに空腹で運動し、夕食時間が遅くなってしまうのが悩みです」「帰宅時に運動を兼ねて1駅か2駅ジョギングしようと思います。運動前と運動後の食事の摂り方について教えてください」などの相談が管理栄養士の窓口には寄せられます。
運動と食事のタイミングについてお伝えします。
空腹で運動してはいけない?!
空腹のまま運動をすると、手足の震えや冷や汗などの低血糖症状が起こる場合があります。そのため集中力が低下し、思わぬけがの原因にもなりかねません。また夕食から寝るまでの時間が短くなると、摂った栄養が体脂肪として蓄積されやすくなります。しかも空腹や疲労感から食欲をセーブできず、つい食べ過ぎてしまうことも。摂取エネルギーが運動で消費したエネルギーを上回ってしまっては、せっかくのメタボ対策も逆効果になってしまいます。
夕食は2回に分けよう!
効率よく運動するためには、運動前に軽く食事を摂ることが大切です。夕食を運動前後の2回に分けて摂る方法を紹介します。仕事が終わってから運動するまでの時間が1~2時間ある時は、おにぎりやサンドイッチ、うどんなどのエネルギー源となる炭水化物中心のメニューがよいでしょう。運動まで30分くらいしか時間がない時は、ゼリー状の栄養補助食品、バナナ、カステラなどが消化もよく胃に負担がかかりません。
帰宅後の食事はこれ!
運動後の食事は、肉や魚、卵、豆腐などのたんぱく質と野菜類を中心に摂ります。運動で使った筋肉の修復を助けるたんぱく質とビタミン、ミネラルを含む野菜を組み合わせれば栄養バランスが整います。メタボ解消のためには脂質の少ない鶏むね肉や白身魚、大豆製品を選べばカロリーも控えることができます。具だくさんの汁物や鍋料理は消化がよく、栄養バランスのよいお勧めのメニューです。炭水化物がないと物足りない場合は、春雨スープやスープパスタなどを利用するのも体脂肪をため込まないコツです。
運動のメリットとは
日ごろから座りがちな人の場合、週3~5日、1回20~30分以上の運動を行う習慣をつけることで、持久力や筋力といった体力が向上し、全身の機能が高まるとされています。適度な運動はメタボ解消のほかに、血圧やコレステロール、中性脂肪の改善、うつや認知症、骨粗しょう症などのリスクを下げるといわれています。さらに、体を動かすことは気分転換になり、ストレスを解消し、質のよい睡眠にもつながります。
運動不足を実感している方も多いでしょう。運動は体の調子を整える大切な役目を果たします。できることから始めてみませんか。