望まない受動喫煙をなくすために
2014年に労働安全衛生法が改正され、職場の受動喫煙防止対策が事業者の努力義務となりました。受動喫煙とは、室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることです。そして職場内での受動喫煙や喫煙の強要など、たばこに関する嫌がらせ行為をスモークハラスメント(スモハラ)と言います。たばこの煙には、ニコチン、タール、一酸化炭素等の有害物質が含まれています。喫煙者が吸い込む主流煙より、その周囲にいる人が吸い込む副流煙のほうが高濃度の有害物質が含まれ、健康に大きな影響を及ぼすことが明らかになっています(※1)。
職場では、努力義務として全面禁煙や喫煙室の設置による空間分煙などを実施しているようです。しかしダイヤル・サービスのハラスメント相談窓口には「これはスモハラなのではないか」という相談は多く、受動喫煙への関心が高まっていることが感じられます。
以下のようなケースがスモハラになるかもしれません。
●職場に設置された喫煙室の人の出入りで煙が勢いよく流れ出て、たばこを吸わない人たちが煙を吸ってしまう。
●上司がたばこを吸わない部下に対して喫煙を強要したり、喫煙室に呼び出して煙を吸わせたりしてしまう。
●会社の飲み会を喫煙可能な居酒屋等で行うと、喫煙者は安心してたばこを吸うため、非喫煙者が副流煙にさらされてしまう。
たばこを吸わない人にとって、たばこの煙やにおいは不快でストレスを感じるものです。頭痛やめまい、目や喉の痛みなどの身体症状が現れる人もいます。しかし、喫煙者に「たばこを吸うのをやめて」とはなかなか言えず苦しんでいます。職場で全面禁煙や喫煙室を設置しただけでは、スモハラはなくなりません。
喫煙者自身が受動喫煙の害や、何がスモハラになるかを理解し、喫煙には周囲への十分な配慮が必要であることを認識することが大切なのではないでしょうか。
2019年5月23日up