Vol.45 食と健康

揚げ物大好き!でも気になる・・・

 「揚げ物料理が好きでよく作ります。少しでもヘルシーにする方法はありませんか」「ステイホーム中にから揚げにはまってしまい、体重が増えて気になっています」「フライにタルタルソースをたっぷりかけて食べるのが大好きです。カロリーオーバーでしょうか」などのご相談が管理栄養士の窓口には寄せられます。
 体重を落としたいとき、健康が気になるときなど、揚げ物料理は敬遠されがちですが、なかなか好きなものはやめられないですね。素材の選び方や調理方法を工夫することで、油の摂取量を少しでも減らせば、エネルギー量を抑えることができます。

◆自宅で料理をするなら~定番編~
 自宅で揚げ物料理を作る際は、衣や素材の選び方、切り方を工夫するとエネルギーを減らせます。キーワードは「吸油率」です。揚げ物の素材や衣が吸収する油の量の割合を表します。
 まず、衣はおおむね、素揚げ→から揚げ→フライ→天ぷら→かき揚げの順で吸油率が増えて、エネルギーが高くなります。また、同じフライでもつけるパン粉の選び方しだいで、油の量を減らすことができます。生パン粉と乾燥パン粉では、乾燥パン粉の方が吸油率は低く、乾燥パン粉の中でも、細かいパン粉の方が油を吸収しにくいです。ほかに、から揚げにはかたくり粉か小麦粉が使われますが、かたくり粉の方が油を吸いにくく、カリっとした軽い食感に仕上がります。
 次に、素材は、牛豚肉のヒレやモモ、鶏ささ身、エビ、イカ、白身魚、貝類など、脂肪が少ないものを選んだ方がよりヘルシーです。また、水分の多い食材の方が吸油率は高くなります。
 さらに、下ごしらえの際の食材の切り方でも違いが出ます。食材を細かく切ると油に接する面積が大きくなり、吸油率は上がります。

◆自宅で料理をするなら~番外編~
 いつも思いどおりの食材がそろうとは限りませんね。例えば手元に脂身が多いお肉しかないなんてことも。そのようなときは、脂身や鶏皮付近の余分な脂肪などを取り除きましょう。サツマイモの天ぷらが食べたいときは、カットしてから電子レンジで加熱したサツマイモに衣をつけて揚げれば、揚げる時間が短縮でき、吸油率も低下します。カボチャやジャガイモなどの根菜類も同じで、火が通らないという心配もありません。

◆自宅で料理をするなら~灯台下暗し編~
 揚げ物のエネルギーが気になると、つい衣や衣をつける食材に気をとられます。しかし、揚げ油の状態も吸油率に影響します。劣化した油は粘性が高いため油切れが悪く、吸油率が1~2%高くなります。揚げ油の使い回しはほどほどにしましょう。
 食卓で食べるときにもポイントがあります。それはかけたり付けたりする調味料です。ソース、タルタルソース、ケチャップなどの洋風のソースより、天つゆ、ポン酢、レモン汁、塩、しょう油など和風の調味料にするとエネルギーダウンします。

 このように、吸油率の違い、食材の選び方や切り方などちょっとした工夫を知っていると健康管理に役立ちます。から揚げや豚カツなどの揚げ物専門店も増えましたね。市販の揚げ物も同じようなことが言えます。作り方やメニューを賢く選んで、食事を楽しんでください。