チョコレートやココアの健康効果とは!?
Q:日本でも世界中の有名なショコラティエのチョコレートが手に入るようになり、楽しみにしています。チョコレートやココアは健康によいとも聞きますが、どのような効果があるのでしょうか。ただ、血糖値や血圧が少し高めなので太ることも心配です。
A:チョコレートやココアはおいしいだけではなく、ホッとできますね。おいしさ以外に成分にも関心が集まり、いろいろな機関で研究され、マスコミに紹介されたことからココアブームが巻き起こったこともあります。
チョコレートやココアの原材料はカカオ豆です。これを焙煎し、粉砕したあとにペースト状に煮詰め、脂肪分を取り除いて粉末にしたものがココアです。ペーストに香料や糖分などを加えて固形にするとチョコレートになります。
カカオの成分として「カカオポリフェノール」や「テオブロミン」が注目されています。ポリフェノールの抗酸化作用は、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病を予防し、さらに老化やがんなどの要因となる活性酸素から体を守る働きがあります。テオブロミンはチョコレートやココアのほろ苦さのもとで、カフェインに似た成分です。しかし、その作用は穏やかで、就寝前に摂取しても睡眠に影響しにくく、自律神経を調節し、リラックス効果も期待できます。また、集中力を高める働きを持つともいわれています。
チョコレートやココアは、ほかの嗜好飲料と比較してミネラルが多いのも特徴です。特に銅が多く、ピュアココア1杯(5g)を飲むと1日に必要な銅に対し、成人の男性で約2割、女性で約3割を摂取できます。栄養素として銅は聞きなれない成分かもしれませんが、赤血球のヘモグロビンと鉄を結びつける役割を果たしているため、不足すると貧血になります。また、銅を含む酵素は、コラーゲンの生成に働き、骨や血管壁を強くします。ほかにも鉄分や亜鉛などのミネラルを含み、手軽に摂取できることから、医療や介護の現場でも応用されつつあるようです。
なかなか多彩な魅力を持つチョコレートやココアですが、砂糖を多く含む製品は体重のコントロールに影響を与えかねないため、カカオ成分が多い「ハイカカオ」「ピュアココア」の製品を選ぶようにしましょう。また、ポリフェノールは早く吸収されるため、その抗酸化作用は比較的早く発揮されますが、長時間持続しません。一度にたくさん食べずに、少しずつ食べることをお勧めします。あくまで嗜好品として間食の範囲でおいしく楽しめるとよいですね。