ギンナンの食べ過ぎは毒?
<Q>
11月になるとギンナンをたくさんいただきます。料理に使ったり、揚げておやつにしたりしていますが、子どもにはあまり食べさせないほうがよいと聞きました。なぜでしょうか。
<A>
秋の味覚であるギンナンは、もちもちとした食感が人気で、茶わん蒸しの具やおつまみなどで食べられています。おいしいだけではなく、ビタミンやミネラルが豊富で、古くから漢方薬や薬膳料理に用いられてきました。滋養強壮の妙薬として、また、夜尿症、せき、たん、ぜんそくなどにも効果があるといわれています。
しかし、一度に食べ過ぎると、嘔吐、けいれん、呼吸困難といった中毒症状を起こすことがあります。専門の相談機関では10月から12月に中毒の報告が増え、5歳以下の子どもでの相談が7割近くをしめています。昔から子どもには「自分の年より多く食べるな」という言い伝えがあるほどです。
中毒の原因は「メチルピリドキシン」という成分です。この成分は脳神経の情報伝達を助けるビタミンB6を阻害する作用があり、食べすぎるとビタミンB6欠乏症に似た中毒症状を起こすと考えられています。メチルピリドキシンは熱に強いので、加熱調理をしても毒性はなくなりません。また、いくつ食べたら中毒を起こすかも、はっきりとはわかっていません。少しの量でも症状が出ることもあるので、特に小さな子どもには食べさせないようにし、大人も食べ過ぎには注意しましょう。
ほどほどの量で、おいしい秋の味覚を楽しみたいですね。